推し事クロニクル15 信じ切れずに
※登場人物はすべて仮名です。
■2004年夏
宮本さん(推し)に迷惑がられているのでは・・という思いにとらわれるようになった私は、あるとき、浅野さんへのメールで尋ねてしまったことがあります。
「私自身の存在や私が作ったファンサイト、宮本さんにはご迷惑なんじゃないでしょうか」と。
すると浅野さんは返信で言うのでした。
「僕も宮本さんも、杉下さんには本当に感謝しているし、サイトは楽しく見ている」と。
私は素直にこの言葉を信じていれば良かったのです。
だけど、信じ切れなかった。
宮本さんはすごく優しい人だから。
ファンが悪気なく作ったもの、そしてそれを作ったファン自身のことを、内心嫌だったとしても「嫌なんだよね」と言葉にしたりはしないだろう。
まして、浅野さんは私のサイトが気に入っているのだ。
きっと宮本さんとの普段の雑談で、「更新されてたね」などと、私のサイトの話をすることもあるに違いない。
そういうとき、宮本さんは、浅野さんに気を遣い、楽しそうなふりをして調子を合わせているかもしれない。
宮本さんの本当の気持ちは、誰にも分からない。
そして私は、浅野さんの言葉を信じ切れなかったばかりに、1年後のある事件がきっかけで、頑張って運営してきたサイトをあっけなく閉鎖してしまうことになるのです。
でも、それをこのブログに書くのはもうちょっと先のお話。