推し事クロニクル5 遂にイベント当日
※登場人物はすべて仮名です。
■2004年春
SNSで、さまざまなジャンルのファンの書き込みを見ていると、よく「推しの視界に自分を入れたくないから、推しと接触はしたくない」というような、容姿に自信のない方の発言が目に入ります。
その気持ち、分かります。
私、ルックス良くありませんから。顔も綺麗じゃないし、スタイルも悪いです。
だから、みなさんの気持ちがすごく分かるのに、宮本さん(推し)に会いにいってしまったんですよねえ・・。
「一度は会ってみたい」という感情に抗うことができなかったです。
さて。
そのイベントは、ファンサイト開設の3日後に行われました。
当日の朝、私は新幹線に乗って会場へ向かいました。
会場には早めに着いたので、最前列に座ることも可能でしたが、初のナマ宮本さんをそんな激近で体験する勇気が出ず、3列目だったか4列目だったか、程良い位置を確保。
イベントはまず、トークショーから始まりました。
浅野さんという、宮本さんの関係者さんが聞き手を務めました。
ファンになって約半年、宮本さんのトークをがっつり聞くというのも、これが初めて。
いくつも読んだインタビュー記事から、真面目そうで飾らなくて謙虚な人だと好ましく思っていたけれど、実際にお話を聞いても、その印象は変わらず。良い人全開。
ますますファンになってしまったのでした。
トークショーは質問コーナーも含め、2時間近くもあり大満足。
その後は、物販タイム。サインと握手をしてもらえます。
その間、関係者の浅野さんは、宮本さんの傍に控えていました。
浅野さんは、宮本さんのデビュー時からお付き合いがあって、宮本さんが絶大な信頼を置いている方です。
なので、私は浅野さんにも大変興味がありました。いつかお話してみたいなと思っていた。
列に並んだ私は、浅野さんの傍まで進んだときに、ちらっと目が合ったので、浅野さんに話かけました。
「今日、浅野さんにもお会いしたかったんです」
列の中で浅野さんに声をかける人は他にいなかったので、浅野さんはちょっとびっくりした様子でした。
続けて私は言います。
「私は○○県から来まして・・」
すると、浅野さんはこう仰ったのです。
「・・何か、ブログをやっていたりします?」
え?
ぶ、ぶろぐ???
私はうろたえながらも答えました。
「つ、つい最近(3日前だ)、始めましたけど・・」
それを聞いて、浅野さんはニッコリ笑って言ったのです。
「(私が作ったファンサイトの名前)!?」
ええええー!!!!
どうして???
3日前にオープンしたファンサイト、宮本さんの名前や関連キーワードでグーグル検索してみても、まだ全然ヒットしないことを私は確認済みでした。
なのに、なんで浅野さんが知ってるの???