推し事クロニクル6 推しとの初接触
※登場人物はすべて仮名です。
■2004年春
驚いた私は、浅野さんに尋ねました。
「どうして、私のサイトをご存じなんですか??」
「だって、僕も宮本さん(推し)も、ググるの大好きですもん」
ニコニコと浅野さん。
いや、浅野さんの発言はおかしい。
前回の記事で書きましたが、私のファンサイトはググってもまだ出てこないはず・・。
きっと、浅野さんか宮本さんは(もしくは両者は)、最初にできた宮本さんファンサイトをちょくちょく覗いていたのでしょう。
だから、そこの掲示板に私が書き込んだファンサイト開設報告に気づいたのです。おそらくそうです。
私はこのイベントで宮本さんと対面しても、自分からファンサイトの話題は出さないつもりでいました(こんな遠方までサイトをアピールしにきたよ、と思われるのが嫌だったのです)。
なのに。
開設日かその次の日か、はたまたその次の日になのか分からないけれども(今日ということはないだろう)、ご本人はサイトを見つけてしまっていた・・。
改めて、インターネットとは、とんでもないものだ。
驚愕する私に向けて、さらに浅野さんが仰るには。
私が不明点をメールで問い合わせた際に対応した運営スタッフさんは、このイベントをコーディネートしている石川さんという人物(この方が持つ人脈のおかげで、このイベントは地方にしては多彩なゲストが登場する)に「関東から、熱心な宮本さんファンがやってくる」と知らせ、それは石川さんから浅野さん&宮本さんへと伝わっていたというのです。
そういうことが事前に伝わっていくくらい、このイベントはマイナーな、知る人ぞ知る催しで、これまでの参加者は遠くても同地方からだったそうなのです。そんな事情、私は想像もしてなかった・・。
「熱心なファンがくる」と聞いて、浅野さんと宮本さんは「最初に開設されたファンサイトか、数日前にできたばかりのファンサイトか、どちらかの管理人じゃない?」と予想を立てていたというから、ますますびっくり。
「後者でしたかあ」という表情で、浅野さんは微笑むのでした。
さてさて、その間も列は進み、私はついに宮本さんの前に!
私と浅野さんのやりとりを聞いていたらしい宮本さんは、顔を上げ、私と目を合わせると感心したような顔つきで言いました。
「サイト、すごいですね~!」
ああ。
本当に、私のサイトを見てくださったんだ。
こんなことってあるんだ・・。
感激でぼうっとなりながら、購入したものにサインをしていただき、さらに握手をしていただきました。初サイン。初握手。嬉しい・・。
宮本さんへの初プレゼントを用意していたのですが、無事、手渡すこともできました(可愛い形をしたハンディなマッサージャー)。
そして、宮本さんは私に言います。
「この後は、どうされるんですか?」
この後。
そう、このイベントは、この後が「大変」なのでした。
この後は。
「う、打ち上げに参加します」